環境委員会委員 清田秀雄(74回)誌上報告 本文へジャンプ

15.陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する


16.持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する



17.持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する


座長 中村晴永(55回)   環境委員会委員長 磯貝三男(56回)     
委員 岡田宗久(58回)
   委員 中瀬勝義(60回)   
委員 伊藤 林(62回)   委員 細谷和海(67回)   委員 清田秀雄(74回)

清田秀雄(74回)
江東区役所にて水辺と緑の課計画調整担当
公園緑地行政と建物の緑化指導に携わる

最近の活動から

 

墨田区の隣、江東区にあるNPO法人ネイチャーリーダー江東の会員として会の誕生当初(1997年)から活動を続けています。主な活動場所は江東区内の荒川河川敷と仙台堀川公園にある3か所の復元型ビオトープ(約2ヘクタール)。かつて東京低地に多く存在した湿地や2次草地の生態系を復元するため、生態系保全活動を20年以上実施しながら、自然観察会や講習会、調査活動などを行っています。その中から最近関わっている活動を2つご紹介します。

1.ビオトープの昆虫調査(第2次江東区PES昆虫調査)

1998年から2003年の6年間、都市における復元型ビオトープの造成初期の昆虫相を把握するため、第1次江東区PES昆虫調査(『PES』は江東区でのビオトープの名称『ポケットエコスペース』の略称)を実施し、そこに生息する337種をリストアップ、下町地区における最初のまとまった報告を行いました。

前回の調査から約10年が経過した2011年、ビオトープの箇所・面積ともに大幅に増加した一方、外来種問題の顕在化や環境管理の継続性の困難さなどの問題が生じてきたことから、第1次調査後の昆虫相の変化についてモニタリング調査を実施してきました。2015年の両国祭では、途中経過として、約800種の同定を終えて、前回調査からさらに昆虫相が豊かになっていることを発表しました。

写真:冬にのみ活動するキリガ類

202012月現在、標本類は標本箱30箱に収め、ハエ目やハチ目の一部を残して、約1,100種の同定を終えました。中には環境省・東京都・隣接県のレッドデータリスト掲載種を58種含むこともわかりました。


写真:荒川砂村PES

来年3月末の報告書発行に向け、毎日少しずつ作業を進めていますが、開発の進んだ下町でも、生息場所を確保し、長い時間をかけて生態系を育てることにより、多くの昆虫が戻ってくることを明らかにしたいと考えています。また、地球温暖化により北上を続ける昆虫群や外来種の増加とその影響、子どもたちの昆虫離れなどの問題にも焦点を当てながら、調査結果が多くの保全現場で活用されるようにまとめていきたいと考えています。前回同様、報告書は市民団体、学校、行政、博物館など関連する機関へ送付する予定です。


2、東京環境工科専門学校の演習を実施         

錦糸町にある東京環境工科専門学校から当NPOへの依頼により、専門学校3年生の演習科目である「ビオトープ計画施工管理実務演習」を実施しました。

15コマの内容で「順応的管理による都市の2次草地・湿地を保全するNPO活動の実際」をテーマとして、地域NPOの抱える課題を交えた話題提供を行いながら、実際の作業を進めました。コロナ禍の今年はスタートが6月と遅れましたが、129日をもって無事終えることができました。

今回の実務演習は、荒川砂村PESを演習地として、演習内容を生かしながら、これまで未着手であった「生態系保全計画書」としてまとめることを目指してきました。学生とともにまとめた計画書については、現場で活用するとともに、他のビオトープでもこうした計画書を作成するヒントとなればと捉えています。また、地域NPOと地域の学校との連携による保全活動については、これからも積極的に進めて、1か所のビオトープだけでなく、まち全体の生物多様性を高めていく機会にしていきたいと考えています。演習の授業概要は次の通りです。

○ 授業概要 

都市の復元型ビオトープを演習地として、順応的管理に必要な技術を学ぶ。特に生物多様性、活動の継続性、ステークホルダー、環境教育などをキーワードに、地域NPOの視点から課題解決のための演習を行う。

図:荒川砂村PES目標植生図





                                                

〇 在校生・卒業生の皆様へ・:活動へのお誘い 〇        

長年、NPO活動を続けてきましたが、東京の下町に豊かな自然を取り戻す活動としては、まだまだ十分な活動とは言えません。社会全体としての生物多様性への関心が極めて低く、大きな緑地が存在しても、生物多様性に配慮された空間は少ないのが現実です。

また、NPOの内情としても、活動会員の高齢化、固定化、少数化が進んできたことから、活動自体が停滞気味な部分があります。専従職員も事務局も持っておらず、無償ボランティアがほとんどです。同じような状況を抱える地域NPOは多く、活躍の場自体が限定されていると思っています。こうした課題を一歩ずつ解決するために、2014年から東京環境工科専門学校や武蔵野大学環境学科など地域の学校とお話しして、学校のインターン生の活動場所として活用されることとなりました。毎年数名のインターンシップ生が加わり、少しずつ保全活動が広がりを見せています。

インターンシップ生だけでなく、保全活動など常時、参加者を募っています。身近な自然や生き物、保全活動に関心のある皆様にはぜひご一緒に活動できればとお待ちしています。部活も大歓迎です。


     環境委員会 清田 秀雄(74回)       

 

○ NPO法人ネイチャーリーダー江東ホームページ

http://nlkoto.sakura.ne.jp/